路上書き下ろしの心得
昨日は”書き下ろしマスター”の
幸頂さまと一緒に、
路上に座りました。
書き下ろしマスターは、
路上書き下ろしのプロでもあります。
大切な『路上の心得』を、
一つ一つ伝授してくださいました。
心得1、
否が応でも人が通るところに座れ!
幸頂曰く、書き下ろしの肝は場所取り。
人がたくさん通るところ、
かつ、
何が何でも目に付く場所でなければならない。
そこで我々は、子供達の遊び場の目の前、
しかも海が見える方向に陣取った!
幸頂はおもむろに、
2メートルほどの真っ赤な布を広げ始めた。
さすが師匠!
これは目立つ!
というより、やたらオメデタイ!
めちゃくちゃ、テンション上がりました。
心得3、
オーラを高めろ!
「路上に座る」と、
日常、まずもって味わえない経験を
することができる。
公共の場所に陣取り、
見知らぬ人達の前で筆を書く。
まさに、「さらけ出す」。
そして、
知らない人達に上から
「見下げられる」。
さらに、
人通りが多いにもかかわらず、
完全に「シカトされる」。
だけど、慣れるまでは
どこか自分が情けなく、
知らず視線が下がり、
なんとなく自分を小さく見せようと
してしまう。
だからこそ、「想い」が大切。
どんな「想い」で座り続けるか。
それが、「オーラ」となって
現れてくると。
座り続けて小一時間したころ、
一人の男性が立ち止まった。
まず、幸頂の書き下ろしを試してもらう。
目を見てインスピレーションを降ろす
という妙技は、
世界中を回っても
そう何人もできることではない。
彼は、2週間悩み続けたことがあったが、
これで胸のつかえがとれた、と言っていた。
それから数時間。
何人かが興味深そうに近づくけど、
立ち止まりはしない。
イヤホンの音楽に混ざって、
波の音も聞こえてくる。
そのときに浮かんだ言葉、
書きたい文句を、
ツラツラと書き綴る。
太陽が雲の間から顔を出し、
容赦なく照りつけ始める。
右腕をジリジリと焼く暑さが、
また心地いい。
「ありがたいな~」って思った。
自分に向き合うこの時間が、
私にはずっと必要だった。
命の洗濯。
心からそう思った。
そろそろ店じまいかな〜と思った頃、
長身の女性が立ち止まった。
”お金はないけど、PJサンド
(ピーナツバターとジャムのサンドイッチ)
ならあるけど。。。”と。
PJサンドと交換に、
まず、幸頂の書き下ろしを体験してもらった。
メッセージを降ろしてもらったら、
すごく綺麗な目を輝かせて、
とても喜んでくれた。
そろそろ帰ろうとする彼女を、
幸頂さんが引き止めた。
幸頂さんの客寄せをしながら、
終始逃げ腰だった私の心理を、
師匠は完全に読んでいた。
最後の客が帰る前に、
私に勝負しろとでもいうように。
もう逃げられない。
覚悟は決まった。
彼女に2〜3、質問を投げかける。
「何をしているの?」
「どんな夢がある?」
「どうしてそうなりたいの?」
彼女は心理学の修士課程を卒業し、
今はヨガの先生になろうと
しているとのこと。
澄んだ瞳がとても印象的だ。
だんだんと伝えたいメッセージが
浮かんでくる。
イヤホンを耳に差し、
パステルで色をのせ、
彼女の名前を書きながら、
さらに気持ちを集中させた。
いざ筆を走らせる。
“Your true love is sending a message to people
as “Love Yourself” through your body.”
(あなたの真実の愛があなたの体を通して
人々にメッセージを伝えているよ、
「自分を愛しなさい」と。)
イヤホンを外し、
彼女にメッセージを届けた。
噛み締めるかのように、
私の書いたものを何度も読み返す彼女。
目をキラキラと輝かせて、
「It’s a awesome message. Thank you」
と言ってくれた。
そして、おもむろに目の前にあった
私の初期の作品を手に取り、
「これはホオポノポノのメッセージでしょ?」
と聞いてきた。
「ついさっき、友達からこの話を聞いたところなの。」
と。
神様が私たちを引き寄せたに違いない。
嬉しくなって、その作品を差し上げた。
彼女が去った後、
幸頂と握手。
感極まって、涙が溢れた。
すると幸頂、優しく肩を叩きながら、
「よくやった。よくやった」と。
ますます泣けてくる。。。
もらったPJサンドを食べようかと
包みを開けてみると、
しっかり半分に切ってあった!
神様、ここまで段取り済み!
荷物をたたみ終わった後、
師匠おもむろに、一言。
「そして最後は、
この場所に感謝する」
今日1日、我々をここに導き、
素晴らしい出会いとご縁を
繋いでくださった、
この場所に感謝。
二人で頭を垂れ、
静かに合唱。
今日の数時間で、
数年間たったような気がした。
それほどの充実感。
路上を体験するのは、まだ2回目。
でもするたびに、
いつも最高の手応えを感じる。
生きていて良かった!
心からそう感じることができた1日でした。
忙しい合間を縫って、
1日私に時間を下さった幸頂さま。
心から感謝申し上げます。
あなた様から頂いた沢山の教え、
しっかりと受け継ぎます。
最幸の1日を共に過ごしていただき、
本当にどうもありがとうございました。